Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
フィンランド&日本の混成ユニット
2009年11月26日
2005年の初来日以来、毎年の公演が定例化しているフィンランドのギタリスト、ニクラス・ウィンター。今回は本邦デビュー作『ビュートピア』の参加ピアニストでもある新澤健一郎がバックアップする形で、クインテットが編成された。新澤+鳥越啓介(b)+大槻英宣(ds)の3リズムは様々なフロントと共演する機会が多く、気心が知れた関係だ。その意味でニクラスとこのトリオは初共演ながら、全体としてまとまりのあるバンド・サウンドを聴かせてくれた。ファイヴ・コーナーズ・クインテットのメンバーで日本での人気も高いユッカ・エスコラ(tp,flh)が、相変わらず欧州新世代屈指の実力者ぶりを披露してくれたのも収穫。中でもエスコラが書いたサンバ曲「1974」でのフリューゲルホーンはブリリアントであった。硬軟自在のリズムを繰り出して、バンドを鼓舞した大槻のプレイも特筆したい。