Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

2013年06月20日  西アフリカから世界に飛躍するギタリスト

2013年06月20日

 ベナン共和国出身の新世代ギタリスト、リオーネル・ルエケには“神出鬼没”のイメージが強い。本邦初登場となったのが2005年の<東京JAZZ>で、何の前触れもなくハービー・ハンコックと共演。これはインパクトが大きかった。その後も様々なミュージシャンのアルバムにゲスト参加していて、動きの読めない活動に自由人の印象を深めてきた。今夜はマイケル・オラトゥジャ(el-b)+ジョン・デイヴィス(ds)とのトリオ@新宿ピットイン。「イフェ」「ホープ」等、昨年リリースの最新作『Heritage』収録曲を中心に構成。アフリカ出身者らしいメロディ・センスやタッピングとミュートを多用する独特の奏法によるギターと、アタッチメント使用の一人コーラスの歌唱が、類例のない個性を発揮する。デイヴィスの熱演と相まって、三人が生み出す強力なグルーヴ感が会場に充満。観客の興奮を煽った。アンコールではルエケの歌唱指導で観客と合唱。盛会となった。

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