Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

実力派歌手が初の本格公演

2010年01月16日

 今年でアルバム・デビューから四半世紀となるヴォーカリストのカーメン・ランディ。80年代にCBSソニーが原盤制作をしたことで日本でも知られるようになり、90年代には著名ミュージシャン多数参加のリーダー作が国内発売されて、初期キャリアの頂を形成した。しかしその後のアルバムは日本で出たり出なかったり。黒人女性ヴォーカル界ではいつしかダイアン・リーヴスとカサンドラ・ウイルソンが2トップの座に君臨して、カーメンの椅子は失われた感が強かった。これまでに数度、バンド参加の形で来日した経験があるカーメンが、今回初めて自身のバンドを率い、新作リリースのタイミングに合わせて丸の内「コットンクラブ」に出演。同作『ソラメンテ』はヴォーカルばかりでなく各種楽器もカーメン本人が演奏した完全自作ということで、新たな評価を得た。今回のステージはバンドを配したもので、当然のことながらヴォーカリスト=カーメンの自由度を確保したセッティングだ。「イン・ア・センティメンタル・ムード」「柳よ泣いておくれ」「エヴリタイム・ウイ・セイ・グッドバイ」をアクセントに、家族に捧げたオリジナル曲や歌唱の技巧を駆使したナンバーなど、このアンダーレイテッドなシンガーの魅力と実力を広く伝えられる場面が多数連続した。満員の観客がカーメンのパフォーマンスに共感を寄せたことも特記しておきたい。

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