Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー

« 2009年03月 | メイン | 2009年05月 »

2009年04月アーカイブ

2009年04月06日

多国籍の実力派トリオ

 ヨーロッパを代表するヴェテラン・ドラマーのアレックス・リールが、自己のトリオを率いて丸の内「Cotton Club」に出演。リールは2007年10月にニルス・ラン・ドーキー(p)+ピエール・ボサーゲ(b)とのトリオで同クラブのステージに上がった実績があり、その時に終演後のバック・ステージでぼくはリールと対面している。今回はピアニストがケニー・ワーナーに代わったトリオでの再来日だ。今年リリースした新作『ゲット・リール』と同じ顔ぶれである。リールは今年、音楽生活50周年という節目を迎えており、気力が充実しているのだろう。そんな気概が演奏からも伝わってきた。近年はブルーノートからも意欲作を世に出しているワーナーは、幅広い音楽性を兼ね備えた名手ながら、来日の機会は少なく、今夜はリール・トリオの一員という立場で実力者ぶりを光らせてくれたのが収穫。来日直前にリールとメールのやり取りをしていたので、終演後にはスムーズに再会を祝った。高アヴェレージ・ヒッターのリールは、これからも多くの感銘を与えてくれるに違いないと確信した夜だった。

2009年04月07日

ジャズ・ヴォーカルの女王のショーケース・コンサート

 青山一丁目に位置するカナダ大使館は、館内にコンサート・ホールを併設していて、過去にも様々なジャズ・イヴェントを行ってきた。近年、同国が生んだ偉大なピアニストにちなんで「オスカー・ピーターソン・シアター」と名づけられた同ホールで、ダイアナ・クラールのショーケース・コンサートが開催された。改めて説明するまでもなく、当代ジャズ・ヴォーカル界でダイアナは別格的な存在。そんなVIPを迎えるために、当夜は特別な趣向が用意された。タレント中山えみりの司会で始まったステージは、上原ひろみと小曽根真のソロ・ピアノがオープニング・アクト的な役割で観客を楽しませた。そしていよいよ登場したダイアナは、レギュラー・メンバーのアンソニー・ウイルソン(g)とのデュオで演奏。エルヴィス・コステロと結婚し、双子の子供を出産した経験が人間的にダイアナを一回り大きくさせたように感じた。それは曲間のMCに顕著で、かつて日本でのコンサートではこれほど饒舌で感情を素のままに表現するシーンはなかった。何故こう言えるかというと、2003年にノルウェーでダイアナの公演を観た時に、あまりにフランクなMCに驚いた経験があるからだ。さらにステージの終盤ではサプライズが発生。今夜出演した4人全員の共演による「イフ・アイ・ハッド・ユー」が披露されたのだ。ダイアナ、小曽根、上原の3人はボストンのバークリー音楽大学の同窓生という共通点がある。予定時刻を大幅に超過したライヴは、満足度が高かった。客席には高円宮妃、渡辺貞夫、時任三郎ら著名人が招待されていて、ダイアナのVIP度を高めていた。ダイアナの本公演への期待が膨らんだ、カナダ大使館のヒット・イヴェント。

090407_01b.jpg 090407_02b.jpg

Editorial Office

エディトリアル・オフィスの仕事を紹介します。

Work's Diary

エディトリアルスタッフの取材ダイアリーを紹介します。

Kimono Gallery

染物・着物に関する情報をお伝えしています。

Jazz Diary

音楽評論家・杉田宏樹のライブダイアリーです。

Hachi Diary

セブンオークスのボーダーコリー「ハチ」のフォトダイアリーです。

セブンオークスへのお問い合わせを受け付けております。
メール:hachi@7oaks.co.jp
住所:〒134-0081 東京都江戸川区北葛西2-10-8
Phone:03-3675-8390
Fax:03-3675-8380