Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー

セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。

和製ジャズ・メッセンジャーズの心意気

2009年03月16日

 ジャズ・メッセンジャーズ・フェスティヴァル09@文京シビック小ホール。リーダーの小林陽一は若手実力者を擁したグッド・フェローズや、ニューヨーカーとのモンクス・トリオで活躍するヴェテラン。約300席のこの会場で、毎年のリサイタルを定例化している。ぼくは今回、小林本人から招待を受けて足を運んだ。「JM祭」と掲げているように、50?60年代にハード・バップ?ファンキーを主導した名コンボをテーマとしたプログラムだ。第1部はクインテットによるJMレパートリーの精選集。昨年末に他界したフレディ・ハバード作曲の「アップ・ジャンプト・スプリング」、ボビー・ワトソン在籍時代の隠れ名曲「イン・ケース・ユー・ミスト・イット」等を披露した。「いつもの活動はJMのコピー・バンドではないけれど、今日はJMの完全コピーを目指した」というだけあって、随所にブレイキーに対する小林の愛情と敬愛が感じられたのが嬉しい。そのように告白しただけあって、小林のドラムスはブレイキー譲りの域を超えて、ブレイキーの「生き写し」。第2部になると中川英二郎(tb)、山田穣(as)、岡淳(ts)が加わったオクテットに拡大。レギュラーのJMではなかった編成だけに、さすがの量感を聴かせる。リーダー・クラスのフロントメンにあって、アンサンブルの指揮をとり、要所を締めた松島啓之(tp)の活躍を特筆したい。ぼくがこれまでに観た松島の、最上のステージだったといっても過言ではないほどの出来だった。最後には前座のニュー・スター・ジャムで演奏した若手有望株も加わって、9管の15人編成で「チュニジアの夜」「ブルース・マーチ」を演奏。客席の多くを占めた熟年層を喜ばせていた。

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