Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
個性派男性ヴォーカリストが丸の内を再訪
2008年04月28日
1年前にティル・ブレナー・プロデュース作『ラヴ・イズ・ホワット・ステイズ』をリリースした他、ファイヴ・コーナーズ・クインテットとのコラボで若い音楽ファンからも注目されるマーク・マーフィーのステージを、丸の内「Cotton Club」で観た。前回の同クラブでの公演も観ており、実は今回のお目当てはピアニストのミーシャ・ピアティゴルスキだった。ミーシャは2004年のモンク・コンペ優勝者ということで、実力は文句なし。ただし日本ではまだアンダーレイテッドな存在である。まずバンドで登場すると、ミーシャがメンバー紹介をして、インストゥルメンタルを演奏。マーフィーがステージに登場すると、そこはまさに独壇場となった。ぼくはミーシャのリーダー作の国内配給をしているガッツプロダクション笠井代表と同席していたこともあって、終演後にミーシャと談笑。そこにドラムスのクリス・ワビッチが加わって、リーダーCDもいただいた。ミーシャに「変則的な歌唱をするマークとの共演は、やりにくくないか」と尋ねたところ、「ぼくはピアノをオーケストラのように演奏する。これは他のヴォーカリストと共演する時には演らない」とのコメントをもらった。