大阪からやってきた女性ヴォーカリスト
大阪を代表するジャズ・クラブ「JAZZ・ON TOP」のオーナーである清水真吾氏は、自店をレーベル名とした原盤制作を行っている。日本人ヴォーカリストにフォーカスした制作姿勢は、大阪から新しい風を吹かせたいとの思いが伝わってきて、以前から注目していた。
今夜は同レーベルから新作をリリースした2人の女性ヴォーカリストの記念ライヴを、高田馬場「コットンクラブ」で観た。デビュー作『ガール・トーク』で全国でのお披露目となった清谷莉絵は、ゴスペル出身の若手。ファースト・セットでは地元ではない初めてのクラブ・パフォーマンスということもあってか、硬さも見られたが、セカンド・セットに進むと吹っ切れたように地力を発揮。同作収録曲の「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」「ガール・トーク」等を歌った。
もう1人のデビュー作『サムシング・グッド』をリリースした吉若えつこは、舞台俳優から歌手に転向した新鋭。「夜は千の目を持つ」のバラード・アレンジや、ヴォーカリストがあまり取り上げない隠れたスタンダード・ナンバーをカヴァーし、独自性を印象付けた。ステージのラストでは同レーベルの看板シンガーである清水ひろみが加わった3人で、「ルート66」を熱唱。終演後の打ち上げで2人のプロフィールを詳しく聞くことができたのも収穫だった。