世界最古のジャズ祭とのコラボレーション第2夜
「JVCジャズ・フェスティヴァル・ウィズ・ブルーノート東京20th」の2日目は、昼夜にわたって開催された。昨日に引き続き、夜の部を観る。トップ・バッターを務めたのは大西順子。1990年代に邦人女性ジャズ・ピアニストのトップを極めながら(「徹子の部屋」出演)第一線を退き、約6年間の沈黙を経て昨年ソロ・アクトとしてBNTで劇的な復帰を果たしたことは記憶に新しい。今夜は共演者抜きのワンマン・パフォーマンスで、30分間のステージを魅せてくれた。次に登場したのはメイソン+マルティーノ+モナコ・トリオ。前夜とほぼ同じ内容で、プロフェッショナリズムを印象付けた。トリを務めたのはクルセイダーズだった。オリジナル・メンバーのジョー・サンプルとウイルトン・フェルダー以外は、リユニオンのための新しい顔ぶれ。ギターのレイ・パーカーJr.は70年代にサンプルがレコーディング・セッションを通じて知り合って以来の間柄。トロンボーンのニルス・ラングレンは自らファンク・バンドを率いる今最も元気なスウェディッシュで、10代にはウエイン・ヘンダーソンのコピーをしていたことを偲ばせるクルセイダーズ・ファンぶりが明らかになったナイス・ガイ。ベースはジョー・サンプルの息子ニックが抜擢されている。そして最大の注目は今回あのスティーヴ・ガッドがドラマーの椅子に座っていること。フュージョン全盛期の70年代から聴き続けているぼくのようなファンにとって、このバンドはクルセイダーズ+スタッフのジョイントだと思わずにはいられない。そして演奏内容は・・・3月19日発売の「スイングジャーナル」4月号の拙稿を参照してほしい。40代が中心と思しき観客が大満足のイヴェントであった、と伝えておこう。