Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
東京JAZZ初日
2007年09月20日
会場が都心の「東京国際フォーラム」に移って、ファンの間に定着した感のある「東京JAZZ」。今年は昨年よりも1日増えたプログラムが用意され、本番前に定着ぶりを裏付けた。初日は「ビッグ・バンド&スタンダード・ナイト」と題して、4組が出演。トップ・バッターのデューク・エリントン・オーケストラは、「サテン・ドール」「ムード・インディゴ」等の名曲を演奏。ソロイストでは「イン・ア・センチメンタル・ムード」でのシェリー・キャロル(ts)が光った。60?70年代にビル・エヴァンス・トリオのメンバーで名を上げたマーティー・モレル(ds)のプレイに、感慨もひとしお。ラストは「A列車で行こう」で締めた。ピアニスト2人の兄弟デュオ・チーム=レ・フレールは、ピアノ1台を弾く連弾スタイルで人気。客席を見渡すと、この若者目当ての集客が高いことがわかった。トリを務めた小曽根真プレゼンツ・ノー・ネーム・ホーセズは、現在の本邦ビッグ・バンド界で活躍する売れっ子たちが集結した大編成であり、小曽根の自作曲を発表する場としてもデビュー作が高く評価された。本編が終わった後、アンコールでサプライズが用意されていた。22日に小曽根が共演する予定のマイク・スターン(g)+クリス・ミン・ドーキー(b)+デイヴ・ウェックル(ds)が加わった特別オーケストラの演奏だ。スタッフに無理をお願いしたという小曽根のファン・サービスだったのだが、これは嬉しいプレゼント。終演時刻は午後11:00を過ぎていた。