Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
ピアノの詩人が15年ぶりに来日
2007年09月30日
遂にこの日がやって来た。再来日は無理だろうと思っていたフレッド・ハーシュの、ソロ・コンサートが実現したのである。会場のお茶の水「カザルスホール」はクラシック向けで、ジャズの催しが行われることはあまりない。しかしキャパシティ500人規模でハーシュのソロ・ピアノを聴くホール・コンサートとしては、これほど贅沢な空間はなく、最上の選択だと言える。来日に尽力した広瀬氏は日本一のハーシュ・ファン。8月に来日したエグベルト・ジスモンチもそうだったが、ファンならではの強烈な情熱が様々な問題をクリアして日本のファンに幸せをもたらす好例と言えよう。 ハーシュの初来日は30年前、レッド・ミッチェルとの共演で、2度目はトゥーツ・シールマンス、3度目はジャニス・シーゲルとのデュオで来日。今回が15年ぶり4度目の日本公演となる。ステージの詳細に関しては「スイングジャーナル11月号」を参照してほしい。ハーシュの誠実なステージ・マナーも印象的だった。マネージャー氏に話を聞いたところ、決して海外での演奏旅行が難しいというわけではなく、ヨーロッパでのステージもかなりこなしているということなので、次回はぜひトリオでの来日に期待を寄せたい。