Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー

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2007年01月アーカイブ

2007年01月12日

NYジャズ界のキー・パーソンが自己のバンドで来日

 ジェフ・ワッツは1980年代初頭に頭角を現して一大ブームを生み出した新伝承派の代表格であるブランフォード・マルサリスと長きにわたって活動してきたドラマー。そのスタイルはハードバップ系とは一線を画した新世代のものだ。今夜はテイン&ザ・エボニックス名義のカルテットを丸の内コットンクラブで観た。NYの黒人ドラマーの流れで言うと、ワッツ以降に出現したブライアン・ブレイドが斯界に多大な影響を及ぼしており、勢力分布図的に言えばワッツの旗色は決して安泰ではなかった、というのが正直なところだ。そんな思いもあっただけに、今夜のリーダー・セッションでどれほどの存在感を示してくれるかに注目していた。フロントを務めたマーカス・ストリックランド(ts)はジョン・コルトレーン譲りの吹奏とストイックなステージ・マナーを披露。曲を聴き進める中で感じたのは、デヴィッド・キコスキ(p)とワッツがお互いの音楽性を理解した良好な関係を築いていることだった。マーカスが退いて、トリオ状態になった時の演奏は、ぜひ3人だけのアルバムを作ってほしいと思ったほどだった。彼らのアルバム『Folk’s Songs』(Dark Key Music)は米ウエブサイトに直接申し込むのがお得です。

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